中国最終更新 2026-09-25
アリババマフィアとは?メンバー一覧・輩出企業・関連書籍
別表記:阿里系/アリババ・マフィア/Alibaba Mafia
アリババマフィアとは、アリババ集団(阿里巴巴集団)出身者が退職後に起業・投資で相次いで成功を収め、中国のインターネット業界に大きな影響力を持つ人脈を指す通称である。中国語圏では「阿里系」という呼称が定着している。
- 起点企業アリババ集団
- 対象の在籍期間1999〜2024年
- 掲載メンバー10人
- 輩出企業2社
アリババマフィアの主なメンバー一覧
アリババ集団に1999〜2024年の間に在籍し、その後に起業・投資で実績を残した主な人物です。在籍時の役職と、その後の主な創業・経歴を並べています。
| 氏名 | アリババ集団での役職・在籍 | その後の主な創業・経歴 |
|---|---|---|
| ジャック・マーJack Ma (Ma Yun) | 創業者・最高経営責任者(CEO)・取締役会長1999〜2019年 | — |
| ジョセフ・ツァイJoseph Tsai (Cai Chongxin) | 共同創業者・最高財務責任者(CFO)・副会長・取締役会長1999年〜現在 | — |
| 彭蕾Lucy Peng (Peng Lei) | 共同創業者・チーフピープルオフィサー1999〜2013年 | アント・グループ(CEO・董事長) |
| 孫彤宇Sun Tongyu | 共同創業者・淘宝網総裁・アリババ集団副総裁1999〜2008年 | — |
| チェン・ウェイCheng Wei | B2B営業(北方大区マネージャー)2005〜2012年 | 滴滴出行(創業者・董事長 兼 CEO) |
| 衛哲Wei Zhe | 阿里巴巴(Alibaba.com)CEO2006〜2011年 | 嘉御資本(創業者・董事長) |
| ダニエル・チャンDaniel Zhang (Zhang Yong) | 淘宝網CFO→COO→CEO→取締役会長2007〜2023年 | — |
| 干嘉偉Gan Jiawei | B2B営業担当バイスプレジデント2000〜2011年 | 美団(最高執行責任者(COO)) |
| 陸兆禧Lu Zhaoxi (Jonathan Lu) | 広東大区責任者→アリペイ社長→淘宝網CEO→アリババ集団CEO1999〜2015年 | — |
| 王剛Wang Gang | B2B北京大区責任者・アリペイ加盟店事業責任者2002〜2012年 | — |
アリババマフィアが生んだ企業
メンバーがアリババ集団を離れた後に創業(共同創業を含む)した企業です。
| 企業 | 設立 | 創業に関わったメンバー |
|---|---|---|
| 嘉御資本アリババ・ドット・コム元CEOの衛哲が2011年に設立した投資会社。消費財・越境ECなどの分野で30社超のIPOに関与したとされる。 | 2011年 | 衛哲 |
| 滴滴出行2012年にアリババ出身の程維が北京で創業した配車サービス大手。中国最大級のモビリティプラットフォームに成長した。 | 2012年 | チェン・ウェイ |
成り立ち
アリババ集団は1999年、英語教師だった馬雲(ジャック・マー)が杭州の自宅アパートに17人の仲間を集めて設立したB2B電子商取引サイトを起点とする。この創業メンバーは中国で「十八羅漢」と呼ばれ、共同創業者の蔡崇信(ジョセフ・ツァイ)、人事を担った彭蕾、淘宝網(タオバオ)を立ち上げた孫彤宇らが名を連ねた。2003年の淘宝網、2004年の支付宝(アリペイ)立ち上げを経て事業を拡大し、2014年にニューヨーク証券取引所へ上場。当時としては世界最大級のIPOとなり、多くの社員がストックオプションの行使により資金力を得たことが、退職後の起業・投資の波を後押しした。この間、陸兆禧や張勇(ダニエル・チャン)が淘宝網・アリペイなどの事業責任者からアリババ集団全体のCEOへと昇進し、内部昇格による経営継承の文化も築かれた。
なぜアリババから起業家が生まれるのか
中国メディア36氪の集計によれば、アリババ出身者が創業に関わったプロジェクトは500件を超え、人工知能分野だけでも80社超にのぼるとされる。背景には、B2B営業組織や淘宝網の現場運営で鍛えられた泥臭いマネジメント経験が他業種でも通用したこと、そしてアリババが運営する同窓会組織「102班」を通じて出身者同士が資金・人脈・ノウハウを融通し合う文化が根付いたことが挙げられる。馬雲自身も「中国の優良企業500社のうち200社程度のCEOをアリババ出身者にしたい」と語ったとされ、出身者の起業を積極的に後押ししてきた経緯がある。2014年の上場で兵站となる資金を得た社員が相次いで独立したことも、2014〜2015年前後にアリババ系スタートアップが集中して生まれた一因とされる。
代表的な出身者どうしのつながり
最も知られたつながりが、B2B営業出身の程維と、営業部門の先輩だった王剛による配車サービス滴滴出行の創業である。王剛は自らエンジェル投資家として70万元を出資し、程維を経営者に据えて2012年に会社を立ち上げた。B2B営業担当バイスプレジデントだった干嘉偉は2011年に美団へ移り、最高執行責任者としてオフライン営業組織の構築を主導、同社が競合との「千団大戦」を勝ち抜く一因を作った。アリババ・ドット・コム元CEOの衛哲は2011年の退任後に投資会社・嘉御資本を設立し、消費財・越境ECなど幅広い分野のスタートアップに出資している。淘宝網の共同創業者だった孫彤宇は、退任後にライバルとなるEC企業・拼多多(Pinduoduo)へ早期投資を行うなど、出身者の投資活動がアリババの競合を含む中国インターネット業界全体に及んでいる点も特徴的である。彭蕾はアリペイからアント・グループへと金融事業を引き継ぎ、決済インフラの外側でもアリババ人脈が中国のデジタル経済を支えている構図を示している。こうしたつながりは単発の出資にとどまらず、出身者が互いの取締役や顧問に就いたり、採用面で協力したりする形でも続いており、アリババという一つの企業から複数の業界を横断する人材・資本のネットワークが形成されている点が、このマフィアの大きな特徴といえる。
アリババマフィアを知るための本
アリババ 世界最強のスマートビジネス
アリババ元チーフストラテジーオフィサーが、同社の経営手法とテクノロジー戦略の内幕を描いた一冊。
Amazonで見るジャック・マー アリババの経営哲学
無名の英語教師からアリババ集団を築き上げた馬雲の経営哲学を12のテーマで解説する伝記。
Amazonで見るよくある質問
アリババマフィアの主なメンバーは?
創業者の馬雲(ジャック・マー)、共同創業者で現会長の蔡崇信(ジョセフ・ツァイ)に加え、B2B営業出身で配車サービス滴滴出行を創業した程維、アリババ・ドット・コム元CEOで投資会社嘉御資本を設立した衛哲、元CEO・董事局主席の張勇、アント・グループ初代CEOを務めた彭蕾などが代表例である。
なぜアリババ出身者から多くの起業家が生まれるのか?
アリババは2014年のニューヨーク証券取引所上場でストックオプションを行使した社員が資金力を得たこと、B2B営業・淘宝網(タオバオ)運営で培われた現場マネジメント経験が他業種でも通用したこと、そして『102班』と呼ばれる同窓会組織を通じて出身者同士が資金・人脈を融通し合う文化があることが背景として指摘されている。
アリババ出身者が創業した主な企業は?
配車サービスの滴滴出行(程維)、生活関連サービスの美団(元COO干嘉偉が在籍)、投資会社の嘉御資本(衛哲)などが代表例。中国メディア36氪の集計では、アリババ出身者が創業に関わったプロジェクトは500件超、AI分野だけでも80社超にのぼるとされる。
「アリババマフィア」という呼び方は一般的か?
英語圏の『PayPalマフィア』のような形で定着した固有名詞ではないが、日本語メディアでも『アリババ・マフィア』という表現が使われた例があり、中国語圏では『阿里系』という呼称が投資・メディア業界で広く使われている。
メンバーの人物ページ
ジャック・マー
英語教師からアリババ集団を創業し、中国最大級のEC・クラウド企業に育てた実業家。
ジョセフ・ツァイ
アリババの共同創業者としてゴールドマン・サックスやソフトバンクからの出資を取り付け、現在は取締役会長を務める。
彭蕾
アリババ創業メンバーとして人事部門を率いた後、アント・グループの初代CEO・董事長を務めた経営者。
孫彤宇
アリババ創業メンバーの一人として淘宝網(タオバオ)を立ち上げ、後に拼多多(Pinduoduo)へ早期投資した実業家。
チェン・ウェイ
アリババのB2B営業出身で、2012年に配車サービス滴滴出行(DiDi)を創業した経営者。
衛哲
アリババ・ドット・コムのCEOとして香港上場を主導し、退任後に投資会社・嘉御資本を設立した経営者。
ダニエル・チャン
淘宝網のCFOから昇進し、アリババ集団のCEO・取締役会長を8年余り務めた経営者。
干嘉偉
アリババのB2B営業組織を率いた後、美団点評のCOOとしてオフライン営業網の構築を主導した経営者。
陸兆禧
アリペイ社長などを経て、2013年から2年間アリババ集団のCEOを務めた経営者。
王剛
10年以上アリババに在籍した後、元部下だった程維の滴滴出行創業をエンジェル投資家として支えた人物。
出典
- 800以上のスタートアップが生まれている「アリババ・マフィア」 - 中華IT最新事情 — https://tamakino.hatenablog.com/entry/2019/01/24/080000
- 阿里系创业浪潮,是否依然汹涌?-36氪 — https://36kr.com/p/1721414090753
- Alibaba Group - Wikipedia — https://en.wikipedia.org/wiki/Alibaba_Group
- Jack Ma - Wikipedia — https://en.wikipedia.org/wiki/Jack_Ma
- Joseph Tsai - Wikipedia — https://en.wikipedia.org/wiki/Joseph_Tsai
- https://ja.wikipedia.org/wiki/馬雲
- https://www.alibabagroup.com/en-US/about-alibaba-leadership-1493301768354791424
- https://en.wikipedia.org/wiki/Peng_Lei
- http://www.chinadaily.com.cn/business/2014-09/05/content_18555945_2.htm
- https://baike.baidu.com/item/孙彤宇/9598812
- https://en.wikipedia.org/wiki/Cheng_Wei
- https://english.ckgsb.edu.cn/story/cheng-wei-how-didis-founder-and-ceo-revolutionized-travel-in-china/
- https://techcrunch.com/2011/02/21/alibaba
- https://phys.org/news/2011-02-alibaba-resign-fraud-probe.html
- https://en.wikipedia.org/wiki/Daniel_Zhang
- https://kr-asia.com/daniel-zhang-calls-time-on-alibaba-stint-after-16-years
- https://technode.com/2011/11/22/meituan-snags-up-former-alibaba-vp-as-coo/
- https://en.wikipedia.org/wiki/Jonathan_Lu
- https://www.chinadaily.com.cn/business/2013-03/12/content_16300372.htm
- https://www.thepaper.cn/newsDetail_forward_13196969
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