中国最終更新 2026-09-25
華為系(Huawei系)とは?メンバー一覧・輩出企業・関連書籍
別表記:华为系/Huaweiマフィア/ファーウェイ系
華為系とは、華為技術(Huawei Technologies、通称ファーウェイ)に在籍した経験を持つ人材が退職後に起業した企業群を指す呼称である。従業員持株制度などによる強い定着文化ゆえ、他の中国IT大手と比べて事例は少ないとされる。
- 起点企業Huawei Technologies
- 対象の在籍期間1987〜2025年
- 掲載メンバー8人
- 輩出企業7社
華為系(Huawei系)の主なメンバー一覧
Huawei Technologiesに1987〜2025年の間に在籍し、その後に起業・投資で実績を残した主な人物です。在籍時の役職と、その後の主な創業・経歴を並べています。
| 氏名 | Huawei Technologiesでの役職・在籍 | その後の主な創業・経歴 |
|---|---|---|
| 任正非Ren Zhengfei | 創業者・最高経営責任者(CEO)1987年〜現在 | — |
| 李一男Li Yinan | 副総裁・最高技術責任者(CTO)1993〜2000年 首席電信科学者2006〜2008年 | Harbour Networks(創業者・社長)、Baidu(最高技術責任者(CTO))、NIU Technologies(創業者・董事長) |
| 戴文渊Dai Wenyuan | ノアの方舟研究所 主任研究員2013〜2014年 | 4Paradigm(創業者・CEO) |
| 鄧泰華Deng Taihua | 副総裁・計算製品線総裁1999〜2023年 | AgiBot(創業者・董事長 兼 CEO) |
| 何朝曦He Chaoxi | 研究開発1998〜2000年 | Sangfor Technologies(創業者・董事長 兼 CEO) |
| 黄汪Huang Wang | エンジニア1997〜1998年 | Zepp Health(創業者・董事長 兼 CEO) |
| 季昕華Ji Xinhua | セキュリティ技術者2002〜2004年 | 騰訊(テンセント)(セキュリティセンター副総経理)、UCloud(創業者・CEO) |
| 彭志輝Peng Zhihui | 天才少年計画研究員(昇騰AIチップ向けアルゴリズム開発)2020〜2022年 | AgiBot(共同創業者 兼 最高技術責任者(CTO)) |
華為系(Huawei系)が生んだ企業
メンバーがHuawei Technologiesを離れた後に創業(共同創業を含む)した企業です。
| 企業 | 設立 | 創業に関わったメンバー |
|---|---|---|
| Harbour Networks李一男が華為退社後の2000年に設立した通信機器メーカー。急成長して華為の有力な競合企業となったが、2006年に華為に買収され解散した。 | 2000年 | 李一男 |
| Sangfor Technologies何朝曦らが2000年に設立した情報セキュリティ・クラウド機器メーカー。SSL VPNやインターネット行動管理機器などを手掛け、2018年に深圳証券取引所創業板へ上場した。 | 2000年 | 何朝曦 |
| UCloud季昕華らが2012年に設立したクラウドコンピューティング企業。2020年に上海証券取引所科創板へ上場し、「中国クラウド計算第一股」と呼ばれた。 | 2012年 | 季昕華 |
| Zepp Health黄汪が2013年に設立したウェアラブル端末メーカー。小米(Xiaomi)向けスマートバンドの開発を手掛け、2018年に米ニューヨーク証券取引所へ上場した。 | 2013年 | 黄汪 |
| NIU Technologies李一男が2014年に設立した電動二輪車メーカー。ブランド名「小牛電動」で知られ、2018年に米ナスダック市場に上場した。 | 2014年 | 李一男 |
| 4Paradigm戴文渊が2014年に設立した企業向け人工知能プラットフォーム企業。2023年に香港証券取引所に上場した。 | 2014年 | 戴文渊 |
| AgiBot彭志輝と鄧泰華が2023年に設立したヒューマノイドロボット開発企業。上海市のAI研究機関の支援を受けて発足した。 | 2023年 | 鄧泰華、彭志輝 |
成り立ち
華為技術(Huawei Technologies)は、人民解放軍の技術部隊出身の任正非が1987年、資本金2.1万元を元手に深圳で設立した。当初は電話交換機(PBX)の代理販売から出発し、自主開発した交換機C&C08シリーズなどを通じて国内通信機器市場で急成長し、やがて世界最大級の通信機器・情報通信企業へと発展した。
非上場を維持しながら成長した点も特徴で、従業員に自社株を持たせる従業員持株制度(内部持株制度)を敷き、手厚い待遇と引き換えに人材の定着を図ってきた。加えて競業避止契約の運用も厳格とされる。こうした強い定着文化のもとでは、アリババやテンセント、百度のように在籍者が次々と社外に飛び出して起業する土壌は生まれにくく、著名な「華為系」出身起業家の数は他の中国IT大手に比べて相対的に少ないとされる。
なぜそれでも起業家が生まれるのか
少数ながら際立つのは、最年少副総裁・最高技術責任者まで務めた李一男の事例である。2000年に華為を退社して通信機器メーカー港湾網絡(Harbour Networks)を設立し、急成長の末に華為の有力な競合企業となったが、2006年に華為へ買収され、李自身も一時同社に復帰した。その後は百度の最高技術責任者などを経て、2014年に電動二輪車メーカー牛電科技(NIU Technologies)を設立し、2018年に米ナスダックへ上場させた。このように華為での技術・経営経験を土台に、通信・セキュリティ・クラウド・AIなど華為の事業領域に近い分野で創業する例が目立つ。深信服(Sangfor)の何朝曦、UCloudの季昕華、第四範式の戴文渊はいずれも研究開発・技術職としての在籍経験を持ち、退社後にその専門性を生かして起業している。
近年は「天才少年計画」と呼ばれる高待遇の人材採用制度を通じて招いた若手研究者の一部が、数年の在籍を経て独立するケースも出てきた。2023年に設立されたヒューマノイドロボット企業・智元机器人(AgiBot)は、同計画出身の彭志輝(稚暉君)と、無線・計算製品事業を長年率いた鄧泰華・元副総裁が中心となって立ち上げたもので、華為の技術者育成の仕組みが新たな起業の担い手を生んだ近年の代表例といえる。
代表的なつながり
港湾網絡は結果的に華為に買収されて解散した一方、牛電科技や深信服、UCloud、第四範式、華米科技(Zepp Health)はいずれも独立企業として株式上場を果たしており、華為出身者が創業した企業が通信・セキュリティ・クラウド・AI・ウェアラブル端末など各分野で一定の存在感を持つに至っている。智元机器人のように、華為在籍時期の異なる世代の出身者同士――1990年代入社の鄧泰華と2020年代入社の彭志輝――が一つの企業で合流する例も見られ、華為が長年育ててきた人材の層の厚さがうかがえる。
こうした事例の多くは、華為が本業とする通信・ネットワーク・計算基盤技術の延長線上で興されている点が特徴であり、出身者が在籍中に培った専門技術や研究開発の知見をそのまま次の事業の核としているケースが目立つ。
華為系(Huawei系)を知るための本
最強の未公開企業 ファーウェイ 冬は必ずやってくる
創業者・任正非へのインタビューや社内資料をもとに、華為の企業文化と経営哲学を描いた日本語版書籍。
Amazonで見るファーウェイ 強さの秘密 任正非の経営哲学36の言葉
任正非が社内向けに発したメッセージから、華為の組織運営の考え方を36のテーマで紹介する書籍。
Amazonで見るよくある質問
主なメンバーは?
創業者の任正非のほか、港湾網絡(Harbour Networks)や電動二輪車メーカーの牛電科技(NIU Technologies)を興した李一男、深信服(Sangfor)の何朝曦、UCloudの季昕華、第四範式(4Paradigm)の戴文渊、華米科技(Zepp Health)の黄汪、智元机器人(AgiBot)の彭志輝・鄧泰華らがいる。
なぜ他の中国IT大手ほど出身起業家が多く出ないのか?
華為は非上場を維持しながら従業員に自社株を持たせる従業員持株制度(内部持株制度)を敷き、待遇面で人材の定着を図ってきた。また競業避止契約の運用も厳格とされ、著名な出身起業家の数はアリババやテンセント、百度出身者と比べて相対的に少ないと指摘されている。
主な出身企業(出身者が興した企業)は?
港湾網絡(2006年に華為が買収)、牛電科技(NIU Technologies、ナスダック上場)、深信服(Sangfor、深圳創業板上場)、UCloud(上海科創板上場)、第四範式(香港上場)、華米科技(Zepp Health、NYSE上場)、智元机器人(AgiBot)などが挙げられる。
対象期間はどう設定したか?
華為創業の1987年から、直近の出身者である智元机器人の創業陣が華為を離れた2023年前後までを目安に、2025年を区切りとして設定した。
メンバーの人物ページ
任正非
1987年に深圳でファーウェイ(華為技術)を資本金2.1万元で設立し、今なお経営トップを務め続ける創業者。
李一男
華為最年少副総裁から港湾網絡・百度CTOを経て、NIU TechnologiesをNASDAQ上場に導いた経営者。
戴文渊
百度と華為でAI研究に携わり、企業向けAIプラットフォーム企業・第四範式を創業した研究者出身の経営者。
鄧泰華
華為で無線・計算製品事業を20年以上率いた元副総裁で、退社後に智元机器人の董事長兼CEOに転じた経営者。
何朝曦
華為での研究開発職を経て、情報セキュリティ大手・深信服(Sangfor)を同級生と共同創業した経営者。
黄汪
華為での勤務を経て複数回起業を重ね、小米向けスマートバンドで知られる華米科技(Zepp Health)を創業した経営者。
季昕華
華為やテンセントでセキュリティ技術者として経験を積んだのち、クラウド計算企業UCloud(優刻得)を創業した経営者。
彭志輝
「華為天才少年計画」出身でAIチップ開発に携わり、ヒューマノイドロボット企業・智元机器人を共同創業した技術者。
出典
- 任正非 - Wikipedia(日本語版) — https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BB%BB%E6%AD%A3%E9%9D%9E
- 李一男 - 维基百科 — https://zh.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%8E%E4%B8%80%E7%94%B7
- 季昕华 - 维基百科 — https://zh.wikipedia.org/wiki/%E5%AD%A3%E6%98%95%E5%8D%8E
- “华为系”离职员工创业榜:硬件、消费电子领域居多 - 36氪 — https://36kr.com/p/1721488146433
- 放弃百万年薪,前华为天才少年们投身AI创业热潮 - 36氪 — https://36kr.com/p/3064116098852227
- 前华为员工24岁离职创业成福布斯亿万富豪 - 新浪财经 — https://finance.sina.com.cn/chanjing/gsnews/2019-04-11/doc-ihvhiqax1784252.shtml
- https://baike.baidu.com/item/%E6%88%B4%E6%96%87%E6%B8%8A/1050962
- https://36kr.com/p/3381110559889799
- http://www.alumni.uestc.edu.cn/info/1011/3618.htm
- https://www.jiemian.com/article/2489892.html
- https://zhuanlan.zhihu.com/p/66143080
- https://baike.baidu.com/item/%E5%BD%AD%E5%BF%97%E8%BE%89/58834686
- https://hub.baai.ac.cn/view/49293
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